今週のスポットライト

ONE
〜輝く季節へ〜
タクティクス(1998)
ADV/ゲームAA(一部C)/精液C(顔0:口0)
キーワード:七瀬〜!!!

 

どこにでもあるような、学園風景。ありふれた、日常。みなれたクラスメイト。しかし、それはかけがいのないもの。そしてはかないもの・・・。

本物には本物でしか対抗できない、と言ったのは海原雄山でしたわね。例えば、ビートルズ。バッドフィンガー、ELO、ラットルズ等それこそ無数のバンドがその音楽に挑戦してきた。けど、メロディー、コード、サウンドなどは分析再生できても、その「存在感」は模倣することは不可能だったね。オアシスだけがその領域に近づいてはいるけど、コピーはあくまで、コピー。ビートルズに並ぶ、ならともかく越えるとなると彼らとは別の山に登るしかないの。山の頂上ってのは、一人用だから。

WIN時代になってリーフのヴィジュアルノベルシリーズが一世を風靡すると、その模倣品が大量に市場に出回った。でもね〜、どれもこれも粗悪コピー。ELOどころかザ・グッバイ。いやはや、先達は偉大なんだって。別のやり方でやった方が結局楽なの。しかし!そこを敢えてリーフと同じ方法をとり、それでいて完全勝利を目指した作品があった。それがこの「ONE〜輝く季節へ〜」。

とにかく「To Heart」そのまま。音楽のムードや、授業風景、キャラの佇まい、全てリーフへの過剰な意識に満ち満ちてる。しかも、この作品のすごいとこはコピーが元ネタを凌駕しているというところ。PIXELもびっくりだ。「東鳩」の各要素を吟味した上で、さらにそれを上回るべく十分練り直した上で再構築している。見事。特に出色なのはキャラクター。とにかく全ての女の子が恐ろしいまでにカワイイ。驚異のキャラ立て。ボクはエロゲはCGが全てみたいな所もあるのだけれど、この際、あのタクティクスCGも不問に付してもいい、と思うほどに愛らしい〜。

そして主人公。これがまたいい。「同級生」「下級生」以来、絶滅状態にあった「イランことしい系主人公」がここに復活。助平じゃないのが難といえば難だが、これだけギャグかましてほとんど滑らないのは奇跡。この主人公と女の子達の会話はすっげーオモロい。会話に関しては「東鳩」どころか蛭田作品も吹っ飛ぶほど。そしてそのノリが突然導く感動ストーリー。これは日本語が分かる奴なら100%泣くだろう。

個人的には「To Heart」よりは断然上の印象。確かに「To Heart」があってこそできた作品であり、単純にどっちが上とは断定できない。しかし、後発は勝って当たり前というプレッシャーの中、プレーヤーに元ネタを十分に意識させた上で「ONE」の方がスゴいと思わせるぐらいの作品には仕上がっていると思う。傑作だ。

 

しかし、敢えて言う。このゲーム、
めちゃくちゃムナクソ悪い!!!

(注意!ここから下、罵詈雑言!)

このゲームなあ。一言で言うと、狙いすぎ。確かにそれがいい風に働いている部分もある。でもね、アコギだよ〜。アコギ!

例えば女の子キャラにハンデキャッパーを大動員するってのもそうなんだけど、これはまあいい。それより選択肢!これヒドすぎる!トラップだらけで、人間の常識の真逆ばっかついてくる。これ、何の意味があるの?確かに人間心理の裏付くってのもストーリーを印象づける演出方法の一つだけど。人間として許せない選択肢をなぜ選ばせる!?なぜ自分を愛してくれている娘をいたずらに苦しめるような選択肢を何回も何回も何回も何回も何回も選ばなイカンのだ!!しかも、そこまでしてハッピーエンド!?なぜ?プレーヤーの意表をつくことだけを狙ってやってるんだとしたら最低だ!島本和彦なら鉄拳飛ばしてるぞ!!

そして、あのわけわからん主人公のモノローグ!んで消えて無くなるの!なんじゃあれ!主人公の普段の性格・行動とまるっきり整合性がないし、そもそも入れる必要ないやろ。それやのにストーリーの根幹の扱い。全く理解できない。これははっきりと物語を印象づけるためだけのギミック。単に「別離」というムードを作りたかっただけでしょ、あれは。等するに「雰囲気だけを積み上げといてプレーヤーの中の期待感で、ありもしない感動をセルフプロデュースしてもらう」ということ。おれが一番嫌いな「バカ演出」

あの精神世界描写にについて、案の定論議が色々巻き起こっているようですが、それこそ作り手の思うつぼ。でもね、エヴァなんかは結末があったのがグダグダ状態になってしまってあの形になったんだけど、この話のラストは始めからああいう形が完成型であって、あれ以上でもあれ以下でもない。確信犯なんだから、どれだけ考えても無駄。大体作ってる方が決めてないんだから(多分)。これもアリといえば、アリ。でもオレは全部ストーリー書ききってなおかつ想像を超えるようなものが好きだ。たとえ想像を越えなくても、逃げるよりマシ。「不条理ネタ」とは「夢オチ」と一緒どす!!こういうとお前オシイストのくせに、と言われそうだが。でも、これは「ビューティフル・ドリーマー」というよりは「ラム・ザ・フォーエバー」になってるぜ(わかるひとだけわかる例え)。なんの因果であんな「庵野秀明作・火垂るの墓」みたいなのにつきあわされなきゃいかんのか。とほほ。急に死ぬな、急に。

とにかく、ギミックに満ち満ちたこの話。ま、タクティクスの面々にしてみたら「To Heart」を確実に上回るためにトリプル・ジョーカーの状態で望みたかった気持ちというのはわかる。このゲームどんな手を使ってでも、巷の高い評価を得ることがその最大のアジェンデだったのではないか?なにしろ相手が相手だから。しかしねえ、やっぱり狙いすぎ。プレーヤーの心を出し抜いて喜んでいるようにしか見えないが。それに、あれだけ魅力的だったキャラクター達が「運命(作り手の気まぐれな自意識)」の前に見る見る生気を失っていくのが悲しすぎる。ほんと、好きだったんだよ、みんな。始めの雰囲気でいけよ〜。なんか、千代大海が猫だましして勝ってしまったような釈然とせん気分。

で、勢いに任せてもう一つ。
この「ONE」、いつもこのHPで嘆いているH軽視ゲーム。何時間も何時間もやっていてもパンチラすらない。やっとHにたどり着いてもスーパーソフト!サイドギャザー!これってコンシューマーで出すときにリファインするのがめんどくさくないようにしてあるの?もう何とかしてくれ。「エロゲ」ってどういう意味か知ってる?「エロいゲーム」って言う意味よ。オレに言わせるとエロゲにおいては全てのストーリーは「来るべきHをどれほど引き立てられるか」というのが目的でなくてはならない。つまりエロゲのストーリーはHが無かったら二束三文になるぐらい、Hと密接に結びついてなくてはならない。それなのに最近の「純愛」とか称するゲーム、「いちょうの舞う頃」とかはストーリーとHが完全に遊離している。そしてこの「ONE」もHが無くても全然成り立つゲーム。ストーリーを追求して、その結果Hが無くなるってのは本末転倒ですよ。どういうこっちゃ!

こんなことばっかり言ってると、オレはエロのことしか考えていないようだが、「悶絶!未亡人仏壇返し」を見に行って、幕が開いたら「フォレスト・ガンプ」だったら、やっぱ暴動が起きるだろう。なんぼエエ話でも。Hゲームとして出すからには守らなくてはならない最低ラインちゅーのがあるでしょうが。そこまでにHにプライオリティがないってんなら、始めから18禁で出すな!・・・え?18禁ゲームでは「エロ」の他にも「表現の自由度」というもう一つのアドバンテージがある?確かに。じゃあ、何故コンシューマーで出しなおす!?「うへへへっ!どうだ!この感動ストーリー」とか、悦に入ってるヒマあったらチンポ立たせろ!と私は言いたい!!

 

ご静聴、どうもありがとうございました!!